「全生活史健忘」という耳慣れない病気、ご存知でしょうか?「健忘」という言葉から記憶に関する障害や病気なのでしょうか?その症状や治療法についてまとめました。
“全生活史健忘”ってどんな病気?:
“全生活史健忘”という病気、一言で言って自分に関わる記憶が飛んでしまう記憶障害の様な病気のようです。
この病気を発症する以前の生まれてから現在までのすべての自分に関する記憶が思い出せない状態で、
自分の名前もわからず、「ここはどこ?私は誰?」という、いわゆる”記憶喪失”と呼ばれる状態になってしまうとされます。
“全生活史健忘”によって具体的にどのような障害があるの?:
「ここはどこ?私は誰?」といっても、この病気の特徴は障害されるのは主に自分に関する記憶であるという点です。
自分の名前や年齢、育ってきた環境や家族といった自分故人に関する記憶は全て失ってしまうとされ、「記憶喪失」と同一視されます。
その一方、社会的なエピソードなどは覚えていることもあると言われます。
“全生活史健忘”の原因は?:
この”全生活史健忘”の原因、多くの場合、本人には耐え切れない大きなストレスがきっかけとなって突然発症するといわれています。
多くの場合は心因性の原因により発症しますが、まれに、頭部外傷をきっかけとして発症することもあり、
交通事故や転落事故といった大きな事故などが原因の場合は、
頭部外傷後の脳震盪(のうしんとう)などのための記憶障害も加わり、複雑な病状になることもあるようです。
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“全生活史健忘”治療方法は?:
“全生活史健忘”の治療方法としては、記憶回復の手がかりとなるものに少しずつ接触させていく
などの方法で記憶回復を図る方法が取られます。
一般的に、比較的短期間で速やかに記憶が回復するとされ、再発することはまれ、と言われますが、まれに長期に及ぶ例も存在します。
治療に当たっての注意点は?:
“全生活史健忘”は本人には耐え切れないような大きなストレスがきっかけとなって突然発症する病気であり、
精神的苦痛のために自分に関する記憶を喪失している状態です。
従って、記憶回復後、うつ状態や自殺願望を生じることもあるとされます。
うつ状態や自殺願望は一度陥ると投薬を含めその人に合った処方をしてくれる医師に巡り会えることがとても大切です。
心の病の場合、薬の効果を確認するためにも、信頼のおける医師のもと、一定期間の入院も視野に入れ検討する必要があります。
向精神薬は劇薬です。その方の年齢にもよりますが、慎重に対応しましょう。
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